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高尿酸血症と腎臓内科~慢性腎臓病、痛風、尿酸結石の予防~

 会社の健診などで、尿酸値が高いと指摘される方が結構いらっしゃいます。要観察・要再検・要治療などの指示があり、相談のために病院を受診したいと思われる際に、内科のなかでも「特に何科が専門なの?」と悩まれている方も多いようです。

 健診結果の表を手に取り、尿酸値の項目がどこに入っているかを確認して頂くと、実は大抵の場合、一目瞭然で正解にたどり着けます。多くの場合は、≪腎機能≫の項目の中に入っており、その<尿>酸の字ごとく、実は内科の中でも『腎臓内科』が専門としております。

 「尿酸」は「プリン体」から生成される老廃物の一種で、尿酸代謝においてその重要な役割を担っているのは腎臓です。尿酸の主な体外への排泄経路は腎臓を経由したものであり、腎臓で作られた尿の中に大部分(約70-80%)が排泄されます。腎機能障害がある方は、進行するに従って尿酸値が高くなってしまうことが多く、これは尿から体外へ排泄される尿酸が減ることで、体内に蓄積しやすくなってしまうからです。私の専門が腎臓内科であることもあり、これまで多くの高尿酸血症の治療に携わらせて頂きました。

 痛風になられたことがある方は内科や整形外科、尿酸結石になられたことがある方は泌尿器科や腎臓内科に受診されることが多いと思いますが、痛風発作や尿路結石で非常に痛くて辛い経験をされて治癒した後にそのまま終診となり、高尿酸血症自体は自覚症状がありませんので通院が途絶えてしまい、何も予防的な治療をされずに経過観察となってしまっている方も少なくありません。その後、しっかりと高尿酸血症の治療をしておかないと、何度も繰り返してしまうことが多々あります。幸いに痛い思いをされなかったとしても、高尿酸血症をそのまま放置してしまい、ほぼ無症状で緩徐に進行する痛風腎という慢性腎臓病(CKD:chronic kidney disease)を発症してしまい、気がついたら透析が必要なくらいに腎機能が悪くなってしまっていることや、尿酸結石での腰痛が良くなったので自然排石したと思いきや、実はまだ尿管に結石が残っていて嵌頓したまま何年も経過することで(腎後性)腎不全となり片方の腎機能がすでに廃絶してしまっていた、ということもあります。また、高尿酸血症の方は、高血圧、糖尿病、脂質異常症、肥満などの他の生活習慣病も併発しておられることが多く、血中尿酸値の上昇に伴ってメタボリックシンドロームの合併率が増加することが示されています。すなわち、長い目でみると心血管疾患(狭心症・心筋梗塞などの虚血性心疾患、心不全、脳梗塞などの脳卒中、末梢動脈疾患など動脈硬化性疾患)の発症リスクも非常に高くなり、高尿酸血症が生命予後にも直結しているといっても決して過言ではありません。

 高尿酸血症の治療に関して、食事療法や節酒などで経過観察をすることができる場合もありますが、難しければお薬での加療が必要となります。この際に、腎機能障害やその他の合併症の有無などで使用する薬の選択が異なってきたり、また腎障害があればどれくらいの量で投与した方が効果だけでなく副作用が出にくいかなどを判断する必要があるため、その決定を的確に行うことが専門である医師の腕の見せ所になってきます。

 当院では、高尿酸血症を含めた生活習慣病の加療を、総合内科専門医、腎臓専門医、糖尿病専門医、内分泌代謝専門医である常勤医師が、患者様の考えを最大限に尊重しながら、しっかりとサポートさせて頂きます。

 高尿酸血症での受診をお悩みの方は、是非当院をご検討頂き、気軽に足を運んでご相談を頂ければ幸いです。

長崎市浜町 諸熊医院(内科) 院長 髙島 毅

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